マンガの実写化で原作者は拒否できない?これまで原作者が拒否した例は?
「原作が大切にされないってどういうこと!?」
「生みの親である原作者が辛いをする実写化なんてやめてしまえ!」
2024年1月期ドラマ『セクシー田中さん(日本テレビ)』の原作者で漫画家の芦原妃名子(あしはらひなこ)さんが死去したことで、マンがを実写化(ドラマ化)することに賛否両論、注目を集めています。
芦原さんが『セクシー田中さん』のドラマ化にあたり「原作通り忠実に」と念を押したにも関わらず、全く守ってもらえなかったため芦原さん本人が9話と最終話の10話の脚本を書くという事態に。
それについてSNS上で視聴者や脚本家などのやりとりがあり、辛い結末となってしまいました。
そこで疑問に思ったのが、
そもそも原作者は実写化することを拒否できる?できない? ということ。
拒否できたらこんな悲しい結末にはならなかった?
それを踏まえて詳しく見ていきましょう。
マンガを実写化することを原作者は拒否できる?できない?
昨今、漫画家書いたマンガを実写化することが多くなってきました。
テレビ離れが多くなったことへの対策?
それに対して漫画家である原作者は実写化を提案されたら拒否できるのか見ていきましょう。
できる
結論からいうと
拒否できる
実際には、実写化にするのが嫌で拒否している原作者の方はいます。
作者が許さなければ原作を基にした映像化は出来ないと思います。
配役に関してはお任せになるでしょうがオリジナルでこういう展開をやりたいという話の場合は作者に許可を取りに行く必要があるようです。
但し許可した限りその後の製作にはほとんど口出しできません。配役とかね。
このように、「NO」という拒否権はあるようです。
原作を守りたければ、映像化は拒否するのが正しい選択ということになるのではないか。
もちろん、「好きに料理してください」という原作者もいるし、それはそれでいいんだけど。
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) January 29, 2024
単純にオタク層以外への宣伝。
実写化されて人気なら買ってみようってなる人はまじで多い。
それがオタクコンテンツだろうと。
収益は作者じゃなくて版権持ってる出版社とかにも入るから、結局原作者が完全に拒否できないように出版社側から圧力みたいなのかけられることもあるらしい。— そく (@sktm_ssro) September 27, 2019
ただ、誰もが知る有名漫画家であれば拒否することも難しくないのかもしれない。
でも漫画家経験の浅い原作者は拒否しにくい現状にあるのかも。
マンガ実写化の現状
マンガ実写化は、現在どんな状況なんでしょうか?
昨年2023年10月期(秋)ドラマを調べてみました!
2023年10月期秋ドラマ
- 『あたりのキッチン』(東海テレビ・フジテレビ系)
- 『大奥 シーズン2』(NHK)
- 『推しが上司になりまして』(テレビ東京)
- 『きのう何食べた? Season2』(テレビ東京)
- 『ギフテッド Season2』(WOWOW×東海テレビ共同制作)
- 『君が死ぬまであと100日』(日本テレビ)
- 『君となら恋をしてみても』(MBSドラマ特区)
- 『君に届け』(テレビ東京)
- 『今日からヒットマン』(テレビ朝日)
- 『けむたい姉とずるい妹』(テレビ東京)
- 『18歳、新妻、不倫します。』(ABCテレビ)
- 『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ)
- 『たそがれ優作』(テレビ東京)
- 『単身花日』(テレビ朝日)
- 『泥濘の食卓』(テレビ朝日)
- 『天狗の台所』(BS-TBS)
- 『猫カレ -少年を飼う-』(BS-テレビ東京)
- 『フェルマーの料理』(TBS)
- 『ミワさんなりすます』(NHK)
- 『マイホームヒーロー』(MBS)
- 『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日)
- 『ワンルームエンジェル』(MBS)
- 『あきない世傳 金と銀』(NHK)
- 『すべて忘れてしまうから』(テレビ東京)
- 『東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-』(WOWOW)
びっくりしました!
漫画が原作のドラマってこんなに多いんですね😵
実写化で原作者のメリット・デメリットは?
マンガを実写化することで原作者のメリット・デメリットは?
それぞれ見ていきましょう。
メリット
マンガだけに限らずだと思いますが、実写化することによるメリットの一つに
お金のため
ということは大きいと思います。
売れている有名な漫画家さんでない限り、漫画家という仕事がとんでもなく儲かる✨という話を聞いたことはありません。
むしろその逆。
ドラマなど実写化するとなっても原作者に入る収益(お金)は「雀の涙」とか。
それでも メリット と言えるのは、
実写化することで宣伝効果となる
☞ 興味を持ってもらえると原作が売れる!
☞ 海外展開も視野に!
このようなことがあるからではないでしょうか…😯
直接入るお金もあるし、下手に断ると今後の仕事にも支障が出るという間接的なお金の心配もある。どっちにしろビジネスですからお金がかかわるのは間違いない。
確かに!
自分のためもあるけれど、出版社など普段お世話になっているところへの利益も考えて、というのもありそうですよね。
ただ、その出版社が原作者に圧をかけて・・・
という展開も一方であるような気がするのは私だけでしょうか…💭
映画公開によりコミックスの重版がかかるためそっちの印税で儲かるし、そこそこ当たれば「るろうに剣心」「ちはやふる」のように、新しいファン層を獲得できる可能性もある。
映画がカスの場合は逆に原作の評価が高まる。漫画家に損は何もない。
原作を知らなかった人に知ってもらえるというのが大きいですよね!
また、原作者によっては、「実写化どうぞどうぞ」と歓迎する方もいると聞きます。
自分以外の人が描く感じを見てみたい と興味のある原作者も多いようです。
デメリット
デメリットは、まさに今回の芦原さんの一件ですよね。
2023年10月、日本テレビにて『セクシー田中さん』がテレビドラマ化。
この際、9話・10話の脚本を原作者の芦原さん自らが担当した。
2024年1月26日には、自身のブログとXでドラマ『セクシー田中さん』について原作から大きく改変されるなど制作陣と意見対立 があり9話・10話の脚本を自ら担当した経緯を、小学館と文章内容を確認した上で明かしていたが、28日にその投稿を削除して謝罪のコメントを残していた。
引用元:Wikipedia
問題となっているのは、「制作陣とどこまで取り決めをしていたのか」ということ。
制作側と原作者である芦原さんの言っていることが違いすぎて、最悪の結末になってしまいました。
今後、二度とあってはならないことです。
原作者が死を選ぶほど追い込まれる結果になるのは残念だし、脚本家と原作者の擦り合せをするテレビ局なり製作委員会の調整不足を指摘されても仕方ないんじゃないかな。
— polaris💉M💉M💉M💉M💉P (@Polaris_sky) January 29, 2024
実写化で原作者が拒否した例は?
これまで、実写化するにあたって原作者が拒否した例はあるのでしょうか?
気になって調べてみましたよ!
はじめの一歩
ボクシングを題材とした『はじめの一歩』(はじめのいっぽ)の原作者、森川ジョージ氏がアニメ化されたときのことを、SNS(X)で赤裸々に話してくれています。
漫画の映像化。
漫画家さんの特に新人さんに向けて。
はじめの一歩は連載開始してわりとすぐに何社からかアニメ、映画の話がきました。
そういうことに全然興味がなかったのでお断りし続けました。…— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN) February 1, 2024
森川氏は一度断っていたんですね!
でも10年後再度アニメ化の話がきて、熱意に押されて許諾したものの2話を見た段階で納得がいかず「今すぐにやめてくれ」とお願いしたと。
その後は双方が納得のいく形で進んでいき、いい形で終わったようです。
やはり原作者の思いは絶対に守られないといけないんですよね。
のだめカンタービレ
2006年10月期ドラマ、大ヒットした『のだめカンタービレ』(フジテレビ)
じつは当初TBSで放送されるはずでした。
TBSがドラマ化権を獲得し2005年10月スタート予定で、岡田准一さんと上野樹里さんによる制作発表も行われました。
ところが、岡田さんが当時所属していたグループV6の曲を主題歌にと事務所から条件があったようです。
なんと、主演も“のだめ”を演じる上野さんではなく、“千秋”を演じる岡田さんに改編されました。
それに対して原作者の二ノ宮知子氏が反論、揉めた末、ドラマ化の話はなかったことに。
このような経緯があり、その後「のだめカンタービレ」はフジテレビ側が原作者とタッグを組んでドラマ化することになったそうです。
主題歌ではなく、主題曲としてベートーヴェンの「交響曲第7番」とジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が使われることになりました。
そして上野樹里さんの相手役には岡田さんではなく玉木宏さんを起用。
放送されてからは大ヒット!
平均視聴率が18・9%、のちに映画化されるなど大ヒットしました。
まとめ
マンガの実写化で原作者は拒否できるのか?
結論としては、
拒否できる。
ただし、拒否しにくい場合もある空気は無きにしも非ず だという声も上がっています。
また、実写化することに興味を持っている原作者の方もいるというのも事実。
全員が拒否したいワケではないようです。
【実写化するメリット】
- ドラマがヒットするば原作の宣伝となって売れる
- 知らなかった層にも知ってもらえる
- 海外展開も視野に入る
などメリットも多いので、拒否しにくい空気があるのかもしれません。
兎にも角にも、制作側・原作者の双方がWin-Winの関係で気持ちよく作品制作できれば、おのずと視聴者の心に届くと思っています。
今回、『セクシー田中さん』の原作者である芦原さんの一件のようなことは、今後二度と起こってほしくないことですし、絶対にあってはならないこと。
日本の映像作品には素晴らしい歴史があると思っているので、今回の失敗を生かして素敵な作品を待ちたいと思います。
『マンガの実写化で原作者は拒否できない?これまで原作者が拒否した例は?』を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。