教師の仕事で楽しいこととは?厳選8つを現役教師が紹介!
教師になりたい!と教職を履修している方、教師の道へ進もうか迷っている方へ
今回は、『教師の仕事で楽しいこととは?厳選8つを現役教師が紹介!』という内容です。
私は、中学校教師の仕事を始めて今年で22年目になります。
かつて「聖職者」と呼ばれ、一目置かれる存在だった教師という職業ですが、今は「ブラックな働き方」なんて言葉を言われ、残念なことに人気低迷しているのです。
仕事内容も年々多忙になり、過労死レベルの働き方が問題になっています。
しかし、働き方が問題なのであって、教師の仕事で楽しいことはたくさんあります!
教師22年目の私が、中学校教師としての経験から、教師の仕事で楽しいことを具体的に紹介していきますので、最後までお付き合いください。
授業をすることが楽しい
教師の仕事内容はたくさんありますが、やはり何といっても「授業」です!
教師を志望する理由の一つに
「授業を通して教えること」に、魅力を感じる人は多いです。
授業を通して、子どもの成長を見たり感じたりすることに、やりがいを感じます。
では、実際、授業のどんな場面で「教師の仕事が楽しい」と感じるのか、具体的に見ていきましょう。
授業が楽しいと言ってもらえたとき
よくない授業の一例として、教師だけが一方的にしゃべったり、生徒が終始お客さんパターンになる場合があります。
そんな授業では、おそらく生徒の反応は悪く、つまらなさそうにしています。
一方、生徒同士の交流があったり、自他を認める場面などがあると、授業も活発になり有意義な時間となります。
何より生徒たちの表情がいいんです。そのような授業のあとは、
「授業楽しかったー!」
「えっ、もう授業終わり⁉」
などの声が聞こえてきます。
この言葉が出てきたら(よし!)と心の中でガッツポーズをしています。
そういう時の生徒の顔も、笑顔だったり充実した顔をしています。
そんなときこそ(楽しいな~)と思いますね。
そのためには、1コマの授業の展開や目標、どんなことを考えさせたいか、などの細かに計画が必要です。
その結果として、そのような声があると、とても嬉しく、やってよかったなと思います。
そして、大抵そういうときは教師自身が楽しんでいます!(^^)!
身につけさせたい力がついてきたとき
小中高、どの教科においても、文部科学省が示す学習指導要領に沿って教材の目標があります。
教師はその目標を達成するために、具体的な手立てを考えながら授業を組み立てていきます。
例えば、音楽の教科だと
★身につけさせたい力 | ★曲にふさわしい音色で演奏する力 |
---|---|
具体的な手立て① | 音の強弱、柔らかな音や鋭い音などを知覚・感受する。 |
具体的な手立て② | この曲にはどのような音色が合うのか試してみる。 |
このように、具体的な手立てをおこないながら進めていきます。
もちろん、教師がきちんとそこを重視して進めていることが前提です。
このような取り組みを子どもに示し、取り組ませていきながら学習の力がついてきたとき、生徒の目が変わるんです!
「できた!」
「わかった!」と。
その瞬間、教師も興奮します。
「できたーーー!!!」
「やったーーー!!!」
それが1時間の授業の中で達成する場合もあれば、1週間や2週間かかることもあります。
そんな努力の先に成果が出ると、授業をする醍醐味と言いますか、貴重な瞬間に立ち会えたな、と本当に感動します。
学級担任の仕事が楽しい
小中学校では、常勤の教師であれば学級担任を経験していきます。
学級担任は仕事が多いからあまりやりたくないと言う人もいれば、学級担任じゃなければやりたくないと言う人もいます。
確かに学級担任の仕事量は多いです。
授業はもちろんですが、家庭訪問、三者面談、教育相談(二者面談)、学期末の通知表作成、面談資料の作成、問題行動などの資料作成、保護者対応、問題が起こったときの相談や指導、など。
挙げたらキリがないですね。
本当にたくさんありますが、その一方で、学級担任しか味わえない特権みたいな素晴らしいこともあるのです!
ちなみに私は、学級担任の何が一番楽しかったかというと、「雑談」です。
家のこと、友達のこと、推しメンのこと、最近流行っていることなど。
これがすごく楽しい(*´∀`)♪
成長過程を見ることができる
学級担任は基本的に1年間です。
大人と子どもの時間の流れは違うといいますが、1年という時間が大人にとってはあっという間でも、子どもにとっては長い長い1年かもしれません。
特に中学生は、成長期・思春期で多感な時期なので、対応が難しいなと感じることも多いです。
担任として受け持つクラスにはさまざま生徒がいます。
不登校、問題行動がある、発達に遅れがある、家庭環境に問題がある、など。
一人ひとり環境が違うのは当たり前で、いろんな生徒がいるので、その対応は確かに大変です。
ましてや時間も限られています。
そんな中でもなんとか時間をつくって、真摯に向き合うことを続けていくと、心を開いてくれたり、その子なりの少しの成長が見られます。
それは、担任以外の教師では見られないことが多いです。
真摯に何度も気にかけてくれた担任だからこそ、見ることができるものです。
仕事柄キツイなと感じることが多くても、そんな成長過程を目の当たりにすると、(学級担任してよかったー)と思います。
どの先生よりも特別な存在になれる
普段、関わりが多いのは学級担任なので、少しのことでも気になるし、褒めたり注意することいろいろあります。
これはしつけが必要な時だな、という時もあります。
とはいっても私は、注意したり叱ったりすることがあまり得意な方ではありません。
教師になって数年間はそういうことを避けていました。
注意したり叱ったりすることで、その子との関係がうまくいかなくなったり、ギクシャクしたり、距離を置かれたり、とにかく負のイメージがつきまとっていたからです。
そんな感じなので、もちろんナメられることも多々ありました。
今は経験も経て、毅然と叱ることもできます。
「自分の子どもだったらこの場合どうするか」
その視点で接していくと、必ず子どもに伝わります。
愛のある説教、愛のある話、愛のある指導。
子どもにとっても特別な存在になれます。
学校行事が楽しい
学校にはさまざまな行事があります。
運動会(体育祭)、文化祭、合唱コンクール、球技大会や学年行事、修学旅行、遠足、課外学習、など。
生徒たちが特にイキイキと子どもらしさを発揮できる楽しい行事です!
私も学校行事が大好きな教師の一人です。
教師と生徒が行事を成功させようと一致団結できる
上記にあげた行事は、おもにクラスや学年で取り組むことが多いですよね。
自然と、クラス対抗意識が出てきて、所属感や団結心が芽生えたりします。
生徒だけでなく教師も燃えてくるので、生徒と教師が、
「楽しい運動会にしたい!」
「絶対に成功させたい!」
3年生なら、「いい思い出をつくりたい!」
という気持ちが生まれるんです。
結果、生徒も教師も団結する!
それがすごく楽しいんですよね!
普段と違う一面が見られる
学校での子どもの姿は、その子自身の一部分の姿であってすべてではありません。
また、学校の中においても、授業で見る姿がすべてではありません。
普段は目立たない子が、文化祭で漫才を披露した。
いつも居眠りしてる子が、リレーのアンカーで超速かった。
掃除時間いつも逃げてる子が、行事の準備を人一倍頑張っていた。
など、意外な一面が見られるのも行事があるから発見できること。
そんな一面を発見したときって、すごく得したような気分です。
ドキドキしたり、心が温かくなったり、とにかく心が動くんですよね。
一気にその子の人間性みたいなのが上書きされていくような感覚です。
自分が見ている側面だけで人を判断してはいけないってことなんですよね。
同僚と苦楽を共有できることが楽しい
教師は、子どもたちといかに向き合うかが大事です。
でも、毎日を気分良く過ごすためには、同僚との会話が必要なんです!
正直にいうと、私は勤務時間の中で同僚と話している時が一番楽しいです(^^;)
教師は忙しい毎日ですが、1日1回以上は同僚の先生たちと顔を見て話すことをオススメします。
いろんな専門(教科)の教師集団なので、話をしていてすごく楽しいですよ。
学校生活での出来事を共有することで絆がうまれる
学校で抱えているちょっとした悩みや、気になることがある人は、ぜひ同僚の先生に話してみましょう!
(忙しそうだから迷惑なんじゃないかな…)と遠慮してしまう気持ちもわかりますが、そんな時は
「聞いてほしいことがあるので、お時間よろしいですか」と、ひと言添えれば問題ありません。
本当に忙しかったら断るはずなので、そんな時は(タイミング悪かったんだな)と思えばいいです。
今日はこんなことがあって、あんなことがあって、と話すだけでも気分転換になりますし、抱えていた悩みが解決できることもあります。
教師の仕事が辛い時、どうしていいかわからない時っていうのは他の先生たちも(特に先輩方)経験しているので、親身になってくれると思います。
歳が近い同僚だと、同じような悩みを抱えていたりすることも多いです。
学校での出来事を共有し、過程を報告し合ったり、より良い解決に向けて相談し合うことで、一緒に頑張ろう!という絆も生まれます。
さぁ、明日から積極的に話してみませんか?
共感やアドバイスをもらえるありがたい存在
普段気になったことを共有したり悩みを聞いてもらったり、たまには愚痴を言ったり、生徒のことで相談したり・・・。
同僚の先生たちと話す時間が癒しになったり、元気や勇気をもらえます。
それが、明日への活力になることが多いんです!
同僚の先生たちと話すことは、自分だけでなく、子どもたちのためでもあり、話している相手のためにもなっているのです。
少なくとも私は、相手から話をしてきた場合も、学びになることが多いと感じています。
話しかけてくれて、話題をふってくれてありがとう!と思うことも多々あります。
とはいっても職場なので、プライベートな話はほどほどにして、限られた休憩時間や退勤間際に、ふつうの大人同士の会話を楽しむこともできます。
まとめ
今回は、『教師の仕事で楽しいこととは?厳選8つを現役教師が紹介!』の内容でお話ししてきました。
じつは、2022年5月時点で、全国の公立学校1897挍で2600名以上の教員が不足している、という大変深刻な事態が起きています。
その穴は、不足している学校の職員がどうにか補っているという状況です。
そのうえにコロナ禍。
学校職員も疲労した身体と心で、毎日働きアリ状態です。
国・各自治体の方々、
事務作業の軽減・部活動の外部化・コロナ対応の外部委託、小学校担任における授業の軽減を実現させてください。
これだけでも現場の教師は救われます。
本来、素晴らしい職業なんです!
教師の仕事は楽しいことが本当にたくさんあります。
それは、教師自身が健康で時間と心にゆとりが持てることが前提です。
どうかこの先、教師がゆとりをもって本来の教師の仕事に打ち込めるよう、心から願っております。
教師を志している学生の皆さん、教職の道へ進もうか迷っている皆さん、諦めずに挑戦してくださいね!